マンション修繕なびコラム 備えてる?マンションの要支援者名簿~ 要支援者名簿作成のすすめ ~

2026.6.4

備えてる?マンションの要支援者名簿~ 要支援者名簿作成のすすめ ~

皆さんの管理組合では、自治体から「要支援者名簿の作成」について協力依頼を受けていませんか?
災害が起きたとき、避難が難しい方々がマンションにもお住まいのはず。

この記事では、管理組合による要支援者名簿作成のポイントと運用方法をご説明します。

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1.「要支援者名簿」とは

「要支援者名簿(避難行動要支援者名簿)」とは、災害時に自力での避難が困難で、周囲の支援が必要な方を把握するための名簿です。

対  象高齢者、障害のある方、難病患者、乳幼児など、避難に支援が必要な方
記載内容氏名、住所、連絡先、生年月日、性別、避難支援を必要とする理由(障害の種別や介護度など)など

2.「要支援者名簿」が求められるようになった経緯

「要支援者名簿」作成のきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災です。

自治体が名簿を持っていても、個人情報保護や情報共有の仕組み不足により活用できず、現場での助け合い(共助)が十分に機能しなかったことが問題になりました。
これを教訓に、2013年の災害対策基本法改正により、各市町村に要支援者名簿の作成が義務化されました。
そして、本人同意を前提に平時から支援関係者(自治会・管理組合等)へ情報を共有できる法的な枠組みが整いました。

私が管理会社で担当者として働いていた10年ほど前には、自治体の担当者が「要支援者名簿」作成について、理事会に出向いて説明してくれることもありました。

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3.名簿作成を阻む2つのハードル

管理組合が「要支援者名簿」を作成しようとする際、いくつかのハードルがあります。

① 個人情報保護とプライバシーの壁

最も大きなハードルは、居住者の心理的な抵抗感です。
「自分が要支援者であることを知られたくない」「障害や病気を管理組合に教えるのは抵抗がある」という方は少なくありません。
一方、管理組合も、「個人情報の漏洩」というリスクや管理責任を恐れ、二の足を踏むケースもあります。

②名簿の「鮮度」を保つアップデートの壁

名簿は一度作って終わりではなく、常に更新し続けなければ意味がありません。このため、最新の状態を維持するための実務負担が発生します。

これらハードルを解消しつつ、リスト作成を進める必要があります。

4.「居住者名簿+要支援者名簿」という解決策

そこでおすすめしたいのが、居住者名簿に要支援者情報を組み込む方法です。

メリット

  • ・居住者全体を把握できる
  • ・居住者の緊急連絡先を管理できる
  • ・災害時に支援が必要な方を把握できる

名簿作成時に、情報利用の目的や災害時の情報提供範囲について同意を得ておくことで、後々のトラブル防止にもつながります。

5.名簿運用のポイント

  • ・賃貸を含め全住戸に提出を依頼
  • ・情報開示の可能性について事前説明
  • ・新規入居者には随時提出
  • ・3~5年ごとに更新
  • ・施錠できる場所で保管
  • ・保管場所を理事会で共有
  • ・災害時は理事が確認・把握

要支援者名簿は、必ず誰かを助けられると保証するものではありません。しかし、誰が困っているのかを“知っているかどうか”で、災害時に大きな違いが生じるでしょう。

下の名簿のサンプルを活用して、「要支援者名簿」の整備をおすすめします。
▶サンプル名簿はこちらから

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いかがでしたか?
皆さんの管理組合でも共助による避難支援を実現するため、要支援者名簿の整備を推進してみてはいかがでしょうか。

マンション修繕なびでは、相見積もりの取得や信頼できる専門家とのマッチングサービスで管理組合の修繕や管理をサポートしています。
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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)

国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com

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