
2025.4.9
修繕費が高くなる理由
みなさんはマンションの修繕費が高いなと感じたことや、この修繕費は相場と比べて高いのか安いのかわからないと感じたことはありませんか。
今回は、修繕費が高くなる理由、修繕費を抑えるポイントを解説します。
1.見積書ができるまで
マンションに限らず、建築工事を行う際は見積書が作成されることがほとんどです。見積書の見方については別のコラムにて解説されていますのでぜひそちらも確認ください。
▶見積書の見方
では、各事業者さんは、どのような考え方に基づいて見積書を作成しているのでしょうか?それは、材料費と人件費の計算です。
例えば、マンションのエントランスの照明が壊れたとします。これを修繕するためには、照明器具を購入する材料費がかかります。そして、壊れた照明を取り外し、新しい照明を設置するための人件費がかかります。実際の見積書の中には、廃材の処分費や会社の経費などの項目も含まれることがありますが、修繕費は原則として材料費と人件費で構成されていると考えてください。
2.修繕費が高くなる理由
修繕費の大部分は材料費と人件費ですが、それ以上に修繕費が高くなる要因は、複数の事業者が関わることにあります。上記の事例のように、照明器具が壊れた際に、管理組合が電気工事会社へ直接依頼すれば安く済む可能性が高いことは想像できると思います。
しかし実際は、管理組合は管理会社に依頼し、管理会社は総合建設事業者に依頼し、総合建設事業者はさらに電気工事会社に依頼をするというケースがほとんどです。
そのため、管理組合が直接依頼する場合と比べて、2社や3社多くの会社が関わること になります。理事会の窓口が一本化されて手間が減ることや、複合工事が一括で依頼できるなどのメリットがある一方で、間に会社が入るということは、その会社の社員がその工事のために動くことになるので、人件費が発生します。さらには、材料費にも利益を上乗せされることが考えられるでしょう。
マンションというのは、例に挙げた電気工事だけでなく、多種多様の修繕が発生します。そのため、マンションの修繕では管理会社が窓口となり修繕提案を行うことが一般的であるため、構造的に修繕費が高くなる傾向にあるということです。

3.修繕費を抑えるためのポイント
修繕費を抑えるポイントは、管理組合自身で修繕事業者を探すことが重要です。
電気工事であれば電気工事会社に、水道工事であれば水道工事業者に依頼するといった体制ができていれば理想です。マンションの修繕は多岐にわたるため、すべてを管理組合自身で手配することは難しいですが、管理会社に任せきりにするのではなく、1社でも2社でも依頼できる事業者を見つけることが費用を抑えることにつながります。
まずは管理会社から提案を受けた際に、相見積を取得することを習慣にすることで財政的に健全な状態に近づくことができます。
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今回はマンションの修繕について解説しましたが、修繕費を抑えるためには相見積を取得することが一番重要ということです。ただし、相見積を取得しようとしても修繕事業者を知らない、探せないという方がほとんどだと思います。
マンション修繕なびでは、そうした課題を解決するための相見積サービスを提供しています。「思ったより修繕費が高い」、「この金額は妥当なのか」といった場合はぜひご相談ください。

黒木 淳
(マンション管理士)
大手マンション管理会社にてフロント担当者として勤務。
その後、独立系管理会社にてフロント業務のほか、管理組合支援業務として第三者管理業務、顧問業務を行う。
現在は、マンション管理の専門家として、管理組合が管理会社と対等な関係が築けるようサポートを行っている。
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