
2026.7.10
「車離れ時代」の駐車場問題、対策5選
駐車場使用率の低下による管理組合の財政悪化が問題視されています。特に「機械式駐車場」の使用率低下による収入減と、高額な修繕費用の負担が組合財政に重くのしかかっています。
しかし、管理組合が一度設置した駐車場、特に機械式駐車場を手放すのは非常に困難です。
本記事では、駐車場の空き区画に悩む管理組合が、今すぐ採るべき5つの具体的な対策を解説します。
▶コラム「どうする?どうなる?マンションの機械式駐車場」
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1. 対策① 駐車場の「別会計化」でコストを可視化する
多くの管理組合では、駐車場の使用料収入を「一般会計(管理費会計)」に組み込んでいます。これは管理費を抑制する手法ですが、高額な修繕や建替え費用は「修繕積立金」から支出するため、駐車場の収支をわかりにくくする要因にもなっています。
まずは駐車場の収支を別会計化(独立化)し、使用料が駐車場の維持・修繕コストに見合っているかを可視化しましょう。収支を可視化することで、使用料の目安もつけやすくなります。
注意)駐車場を別会計化した場合、一般会計の値上げが必要になる管理組合もあります。
▶コラム「管理費と機械式駐車場 ~なぜ管理組合会計から修繕費を出すのか問題~」

2. 対策② 日常の維持管理事業者(メンテナンス会社)の見直し
機械式駐車場は定期的な点検を必要とする設備です。現在、管理会社経由や新築時からのメンテナンス会社にそのまま委託している場合、メンテナンス会社を変更するだけで、月々の維持費や突発的な修繕費を大幅にコストダウンできるケースがあります。
特に独立系のメンテナンス会社への切り替えなどは有力な選択肢です。まずは相見積もりを取得して、現在の契約内容が適正かを確認してみましょう。
3. 対策③ 使用料の値上げ
収支を計算した結果、日常の維持管理費や将来の修繕費用に対して使用料が不足している場合は、早急に料金の改定(値上げ)を行う必要があります。
特に、マンション内の駐車場使用料が周辺相場より破格に安く設定されている組合は、値上げをおすすめします。受益者負担の原則からも、「駐車場を使っていない居住者」の修繕積立金が駐車場の維持のために削られている状態は公平とは言えないからです。
▶コラム「機械式駐車場使用料の値上げ、算出方法」

4. 対策④ 外部貸し出し(サブリース)で収入を補う
マンションの立地によりますが、空き区画を外部の事業者に借り上げてもらい、外部に貸し出すことで収益を得る方法があります。
この場合、税負担(収益事業としての申告義務)が発生する点や、周辺需要に左右されるため恒久的な解決策とはなりにくいですが、次に挙げる「撤去」などの大改革を進めるまでの中短期的な補填としては有効な手段です。

5. 対策⑤ 使用区画の削減、使用中止又は全撤去
駐車場の使用率が落ちている管理組合のなかでも、特に機械式駐車場は経年と共に高額な修繕費を必要とするため、使用中止、減築または撤去などの対策をとる必要があります。
私が知る管理組合では、利用率の低下を受け、築12年目という早い段階で機械式駐車場の使用停止を断行しました。結果として、将来の莫大な修繕コストの支払いを免れ、修繕積立金の大幅な値上げを回避することに成功しています。
長期修繕計画に全撤去・再建築が予定されている管理組合では、再建築を本当に行うのか、計画時期の5年程度前から管理組合内で議論を開始することをおすすめします。
▶動画「マンションの機械式駐車場、修繕計画に入ってますか?」

6.駐車場対策は「組み合わせ」と「長期的な視点」が重要
駐車場の収支は、組合財政の命運を握っています。特に機械式駐車場は、経年と共に高額な修繕費用が必要となり、その上使用率は下がるという特徴を持つ設備です。
一つの対策だけで解決しようとするのではなく、まずは①②で現状把握と目先のコストカットを行い、③④で収入を補いながら、長期的には⑤の「減築・撤去」という道筋を模索するといった、対策の組み合わせと長期的なロードマップの作成をおすすめします。

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いかがでしたか?
駐車場の収支を適正に保つことは、マンションの資産価値を守るために避けられません。
重要なのは、「修繕金が足りなくなってから対応する」のではなく、あらかじめ時間をかけて対策を講じることです。
今すぐできる対策として、本記事の内容を参考にしてください。
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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)
国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com
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