マンション修繕なびコラム 理事会の年間スケジュールと進捗管理

2025.6.20

理事会の年間スケジュールと進捗管理

新しく理事に就任された方の中で、理事会の年間スケジュールを把握している方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
もしかすると、2年目の理事の中にも、理事会の流れやスケジュールを十分に理解していない方がいるかもしれません。

本記事では、理事会運営の年間スケジュールとその進捗管理のポイントについてご紹介します。


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1.理事会の流れを把握する

理事会会期は思いのほか短く、意識的に運営しなければ何も決められないまま1年が過ぎてしまいます。特に理事会を隔月、もしくはそれ以下しか開催しない組合は注意が必要です。

まずは、年間の開催日程をあらかじめ設定し、
・いつ頃、どのような議題を話し合うか
・総会に上程する議案は、いつまでに確定させるか といった進行計画を立てることが必要不可欠です。

下記「隔月開催の理事会開催モデルスケジュール表」を基に、詳しくみていきましょう。

理事会開催(隔月)のモデルスケジュール

2.理事会スケジュールのポイント

理事会を円滑に運営するためには、年間を通じたスケジュール管理が重要です。ここでは理事会の進行において、押さえておきたい主なポイントを4つに分けてご紹介します。

ポイント① 初回理事会:年間主家ジュールの確定

初回理事会では、必ず年間の理事会開催日を決定しましょう。 たとえば「偶数月の第3土曜日 午前10時開催」といった形で日程を固定します。これにより、理事会と個人の予定との調整がしやすくなり、出席率の向上につながります。

ポイント② 第2~3回理事会:継続議案の早期結論

前期からの継続議案がある場合は、できるだけ第2回~第3回の理事会で結論を出すようにします。
早期に処理することで、その後の議論の集中を高めることができます。

ポイント③ 第6~7回理事会:新規議案の扱いと次期体制の準備

第6回および第7回の理事会では、新たに発生した重要な議案の決議は原則として行わず、次年度の理事会での継続審議とします。
この時期は、十分な調査や比較検討(相見積もりなど)が困難なため、性急な判断は避けるべきです。

また、第6回理事会では次期理事候補者を選定し、就任依頼を通知します。仮に就任辞退の申し入れがあった場合に備えて、第7回理事会(=総会前理事会)で対応を協議する時間を確保するためにも、第6回での対応が重要です。

ちなみに、モデルスケジュール上の第7回理事会は「総会前理事会」とよばれ、非常に重要です。総会前理事会については、▶コラム「総会前理事会は何をする?」をご参照ください。

ポイント④ 理事会承認の目標時期を設定

各議案をいつまでに理事会で承認するのか、あらかじめ目標を設定し、進捗を管理します。新たな議案が発生した場合は、その緊急性と重要性を見極めたうえで、当期中に決定するか、次期に持ち越すかを判断しましょう。

3.理事会の進捗管理は誰がする?

多くの組合では、管理会社の担当者が理事会の進行役を務めているでしょう。理事会の進捗管理は担当者が行うのでは?と、疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、担当者が適切な進捗管理を行っていないために、数年間にわたって議題が未解決のまま山積している組合が数多くあります。管理会社が行うべきだ!と、主張するだけでなく、理事自らが進捗管理の知識を身につけ実施することで、以下のようなメリットが得られます。

・審議すべき課題を把握できる
・優先度の高い議題に十分な時間をかけることができる
・各理事会で最優先すべき議題が明確になる
・理事会の所要時間が短縮される

理事会で取り組むべき課題が明確になれば、優先順位をつけた効率的な議論が可能になります。結果として、内容の充実と会議時間の短縮の両立が期待できます。

4.スケジュールを把握すれば、「理事会のストレス」を軽減できる!

理事会がどのように運営されているのか、わからないまま出席することで、理事会そのものに対して苦手意識や拒否感が生まれやすくなります。さらに、会議が毎回長引くようでは、出席率の低下を招く恐れがあります。

このような事態を避けるためにも、
・年間スケジュールをあらかじめ提示すること
・議題ごとのメリハリを意識した進行を心がけること

これらが、理事会出席への心理的ハードルを下げ、理事会運営の成功に直結するポイントとなるのです。

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いかがでしたか?
理事会とは、想像以上にスケジュールが詰まって忙しいということが理解いただけたのではないでしょうか。
優先順位を付けて議論し、進捗管理を行うことで、有意義な会議となることでしょう。
マンション修繕なび では、相見積もりの取得や事業者、専門家とのマッチングサービスで管理組合の修繕や管理をサポートしています。無料セミナーやお役立ち資料を是非ご活用ください。

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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)

国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com

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