2024.3.15
理事長になったら
マンション管理組合の理事長になってしまったのですか?
さぞかし、困惑されていることでしょう。
「やりたくない。」「自分はマンション管理について何も考えてないよ。」と今は感じているかもしれません。でも、ご安心ください。私の経験上、理事長に就任した方は、その直後から職務を全うするために一生懸命組合運営に取り組まれる方が大多数なのです。
理事長になったら、まず何をすべきでしょうか?
管理組合の問題は基本的にお金の問題に帰結します。まずは組合の財政を知りましょう。
・管理費は黒字なのか赤字なのか。最大の支出は何か。年々増加している支出はなにか。駐車場契約の推移はどうなっているのか。
・修繕積立金は黒字なのか赤字なのか。
・長期修繕計画書はいつ更新したのか。修繕の実施が大幅に遅れている工事は何か。またその理由は何なのか。
・管理費、修繕積立金の値上げを検討する必要があるのか無いのか。
管理会社の担当者に相談して、説明してもらうのもいいでしょう。
そして、第1回目の理事会で「初心表明」を行いましょう。
「初心表明!?」
大丈夫、難しくありません。
この期の理事長として何を目指すのか明らかにし、他の理事の協力を求めます。
初心表明の内容としては、組合の現状に照らして下記のようなものが良いでしょう。
・修繕工事を管理組合が主体性をもって進める。
・すべての修繕に組合独自で相見積もりを取得する。
・管理費の支出削減を進める。
・長期修繕計画書の更新をおこなう。
・防災対策の具体策を立案する。
これらの具体策はすべてインターネット上に存在しています。
「修繕を主体性をもって進める」などというとハードルが高いと感じるかもしれませんが、マンション修繕なびのような見積取得や工事会社とのマッチングができるサイトがすでに存在しています。
組合独自で管理を健全に推し進めるための環境が整いつつあります。 これらのツールを活用すれば、無理なく理事長職を全うでき、 理事会運営を乗り切ることができるでしょう。
マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)
国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com
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