2024.10.9
大阪市のマンション施策
2024年9月21日土曜日、マンション修繕なび のセミナーに、大阪市都市整備局から講師をお招きし、「大阪市のマンション施策について」講演いただきました。この記事では、セミナー内容の一部を紹介します。
1.大阪市のマンションストック数と築年数
大阪市の調査によると、令和5年末時点における大阪市内のマンションストック戸数は約38万戸で、うち築30年以上のマンションが約4割を占めるそうです。全国平均の約3割より高く、マンションの建設時期が他より早かったため、高経年化も早く進んでいる事がうかがえます。
2.期間25年以上の長期修繕計画保有組合は3割以下!
大阪市の令和元年度調査によると、計画期間が25年以上の長期修繕計画を作成している組合は27.9%にとどまり、全国平均の約51.1%を大幅に下回る実態が明らかとなっています。
国土交通省はガイドラインで、長期修繕計画の期間を「30年以上かつ2回の大規模修繕工事を実施する期間以上」と示しています。皆さんの組合が作成している期間は何年かを確認してみることをお奨めします。
3.大阪市のマンション施策の基本的方向性について
令和4年3月、「大阪市マンション管理適正化推進計画」が策定されました。この推進計画期間中の目標の一つに「築30年以上のマンションにおいて、計画期間25年以上の長期修繕計画を作成している管理組合の数を50%以上にする」ことを掲げています。この目標に向けて、大阪市では、長期修繕計画作成費用の補助制度等を設けています。また、管理計画認定制度の推進や、適切な管理が行われていない高経年マンションへの支援など、様々な施策を講じています。
4.マンションに関する相談窓口
大阪市における総住宅ストック数のうち、マンションが占める割合は約2割にも上ります。このため、実態調査や適正管理に向けた計画が立てられ、さまざまな支援策も講じられています。
相談や普及啓発の役割を担うのが、大阪市立住まい情報センターや大阪市マンション管理支援機構といった組織です。住まいに関する一般的な事柄は、「住まい情報センター」へ大阪市以外の方でも相談できるとのことでした。
また、大阪市以外の自治体でも、マンションの適正管理に関する支援体制が整備されているかもしれません。ぜひ確認して活用されてはいかがでしょうか。
マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)
国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com
おすすめのコラム
-
よくわかる!マンション管理組合監事の役割
2024.3.15
-
管理費と機械式駐車場 ~なぜ管理組合会計から修繕費を出すのか問題~
2024.7.5
-
どうする?どうなる? マンションの機械式駐車場
2024.3.15