マンション修繕なびコラム 「マンション管理士のお仕事」 ~管理士や いったい何を する人ぞ~

2024.10.9

「マンション管理士のお仕事」~管理士や いったい何を する人ぞ~

皆さんは、マンション管理士という職業についてどの程度ご存じでしょうか。世間でほとんど認知されていないというのが実際のところでしょう。そう、知る人ぞ知る…職業なのです。この記事では、あまり知られていないマンション管理士の業務についてご説明します。

1.マンション管理士という資格について

マンション管理士は、2001年に制定された「マンション管理適正化の推進に関する法律」に基づく国家資格です。

「専門的知識をもって、 管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、 助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者」です。合格率8-9%の国家資格でありながら、とてもマイナーで、活躍の場もごく限られます。

マンション管理士って、「儲かるの?」「面白いの?」等の質問をよく受けます。これに対して私は、「ぜんぜん儲からない」と苦笑いして答えます。
儲かりはしないものの、マンション管理士は、管理組合の「お困りごと全般」に対し解決策をアドバイスする等、“価値ある仕事”を担っています。

2.マンション管理士が扱う業務について

マンション管理士が扱う業務は管理組合運営全般におよびます。その一部が下記の業務です。

・管理規約の改定案作成
・大規模修繕工事に関するアドバイス
・管理費、修繕積立金の値上げに関する資料作成とアドバイス
 長期修繕計画書に関するアドバイスと作成指導
・管理会社リプレイス(変更)に関するアドバイスと選定補助
・将来に発生が予測される問題の事前対策・・・

上記の例を見て、設計事務所が行う仕事が含まれてない?と疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。マンション管理士の職務は、設計事務所の設計士がおこなう建築物の技術的な支援とは異なります。あくまで管理組合運営を適切に行うための具体的な知恵や工夫を提供するものです。

3.マンション管理士の業務、例えば・・・

例えば、大規模修繕工事に関する支援業務として、工事発注方式(設計監理方式、責任施工方式ほか)の違いをご説明し、組合がベストな方式を採用するようお手伝いします。時には、設計事務所選定コンペに同席し、設計事務所の適格性や組合との相性をアドバイスすることもあります。

4.管理士選びも慎重に

マンションは利害が複雑に絡んだ共有物です。マンション管理士は、マンションの管理に知恵と工夫を発揮する専門家であり、知識と人間性が問われると私は考えています。マンション管理士の選定も慎重に行う必要があります。

いかがでしたか?
マンション管理士について、少しご理解いただけたでしょうか。法律の解説だけでなく、管理組合運営に具体的な解決策を提案し、管理組合と共に汗をかく、マンション管理士とはそういう存在です。

マンション修繕なび では、事前審査をクリアした信頼できるマンション管理士や各種専門家をご紹介し、皆さまの課題解決をお手伝いしています。無料セミナーやお役立ち資料も活用し、管理組合運営にお役立てください。

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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)

国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com

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