マンション修繕なびコラム 理事・役員必読!改正マンション標準管理規約~「決められない管理組合」から抜け出すヒント~

2026.2.17

理事・役員必読!改正マンション標準管理規約~「決められない管理組合」から抜け出すヒント~

2025年5月、マンション管理の基本法である「区分所有法」等が改正されました。それに伴い国土交通省は「管理規約」のひな形である「マンション標準管理規約」も改正しました。

「総会を開いても出席数が足りず決議ができない」「所有者不明の住戸が発生している」など、こうした悩みはもはや一部のマンションだけの問題ではありません。これらの課題の解決を促進するための改正が行われました。

この記事では、区分所有法等の改正を受けて2025年10月に改正された「マンション標準管理規約」についてご説明します。

▶コラム「解説!改正区分所有法」

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1.標準管理規約改正の背景

国土交通省によると、「標準管理規約」改正の背景は以下のようなものです。
〇「マンション関係法(区分所有法等)」の改正
〇マンションの建物の高経年化と居住者の高齢化
〇管理組合運営の円滑化や意思決定の実効性を高める

2.標準管理規約改正内容の重要なポイント

改正された「標準管理規約」の中でも、管理組合の意思決定や運営の停滞を防ぐうえでとくに影響が大きい改正項目を、実務の視点から以下のように整理しました。
特に「総会決議要件の見直し」と「所在等不明区分所有者への対応」の改正は、”総会決議ができなかった組合”にとって朗報といえます。

項目改正の概要ポイント
総会決議要件の見直し出席者多数決を前提とする整理など、決議成立を妨げにくい構成へ総会が成立せず何も決められない状況を回避しやすくなる
所在等不明区分所有者への対応所在不明者を一定の手続きにより決議母数から除外できる規定を整備
国内管理人制度の導入
高経年マンションで頻発する「連絡不能住戸問題」への実務対応
外国籍所有者への対応
共用部分変更の決議要件緩和バリアフリー化等の共用部分変更について要件を緩和高齢化対応や設備更新が進めやすくなる
修繕積立金の使途の明確化、見える化修繕積立金を何のために、どの範囲で使えるお金なのか明確にする修繕積立金について、将来の計画的な修繕工事に備えるための資金であること、日常的な管理費とは明確に区別される資金であることを明記
マンション再生関連決議の整理建替え・売却・取壊し等の再生に関する決議要件を現実的に整理「再生を検討できないマンション」を減らすための基盤づくり
組合員・居住者名簿の整理組合員名簿・居住者名簿の作成・更新を明確に位置付け総会運営・連絡体制・所在不明者対策
国土交通省のマンション標準管理規約のページ

3.標準管理規約改正が示す管理組合の現状

これらの改正は、高経年化や担い手不足が進む中でも組合運営を停滞させず、マンションを適切に維持・再生できるようにするためのものです。

翻せば、このような状態に陥っている管理組合が相当数に上り、予備軍も大量に存在しているということでもあります。
既に存在する、”管理が適正に行われていない組合”の運営停滞を打破するだけでなく、予備軍組合の軌道修正を図ることが今回の改正の目的といえます。

4.法律等制度改正だけでは解決できない

先にご説明したように、マンション管理に関する法律等の改正により、一部の組合では運営が円滑になると予想されます。ただし、今回の改正ですべてが解決するわけではありません。
より深刻化している管理不全の実態に対しては、十分とは言い切れない側面もあります。

私の知る管理組合では、総会の出席率が50%程度と、常にぎりぎりのラインで総会の開催にこぎつけています。
対策を講じなければ、早晩50%を下回ることが予想されます。
ほかにも、すでに過半数の出席さえままならない組合が発生しています。
このような組合では法改正後であっても、重要議案の決議が行えないことに変わりはないでしょう。

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5.管理不全に陥らないために、今できること

このような深刻な管理不全に陥る前に、予防策を講じる必要があります。
下記事項などが管理不全予防に有効です。

  • ・組合財政の健全化(相見積もりの取得、必要な値上げの実施など)
  • ・管理組合主導で運営を行う(管理会社に任せきりにしない)
  • ・マンション管理についての情報を収集し組合全体で共有する
  • ・所有者がマンション管理の当事者であるという意識を醸成する

「標準管理規約」改正を機に、これら対策を行いながら組合運営の改革に取り組むことが推奨されます。

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いかがでしたか?
管理不全は、ある日突然表面化するものではありません。
総会出席率の低下や、理事の担い手不足といった小さな兆候が、気づかないうちに積み重なって起こります。
適切な管理が行えている今こそ、精度改正の内容を知り、将来を見据えた行動を始めることが重要です。
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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)

国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com

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