2024.12.5
責任重大?!会計担当理事は何をする?
皆さんの管理組合では理事会の役職はどのようなものがありますか?一般的には、理事長、副理事長、そして会計担当理事の3役です。その他にも書記担当や広報担当、防災担当など様々な役職があるでしょう。
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ちなみに、副理事長は理事長を補佐し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行います。
では、会計担当理事はどのような役割を担うのでしょうか。
1.役割が明確でない会計担当理事
管理会社に業務を委託する多くの組合では、会計担当理事は役割が明確でないことがあります。
一般的に、管理会社に管理を委託している組合では、組合の会計や出納業務は管理会社が行っています。自主管理の組合でなければ、出納や会計業務を会計担当理事が行うことはほとんどないでしょう。
また、会計年度終了後、管理会社が作成する決算書をチェックするのは監事の職務です。監事は、会計内容に誤りがないか、請求書や領収書の有無などを監査します。ここでも、会計担当理事の出番はありません。
2.求められるのはダブルチェック機能
では、会計担当理事にはどのような仕事が割り当てられているのでしょうか。
まずは小口現金の管理です。管理会社が組合会計や出納を行っていても、小口現金を理事会が持ち、組合運営に必要な少額の費用を支出している場合があります。この場合、現金の収支確認は会計担当理事の役割となるでしょう。
そして、会計担当理事の最も重要な役割、それは理事長が支払いのために銀行印を押す前のチェック機能です。主たる出納や会計を行うのが管理会社であっても、出納や支払いのための押印は理事長が行う組合がほとんどです。高額な工事の場合、数百万円単位で組合のお金を動かさなければならず、銀行書類の確認や押印などには細心の注意を要し、理事長といえども、その承認を一人で行うことに負担を感じることでしょう。
このような時に会計担当理事が事前に下記事項等をチェックし、誤りの有無を確認することが推奨されます。
- ・引き出し額
- ・支払額
- ・支払先
- ・支払い項目
特に引き出し額や支払先は、請求書通りであるか、支払い項目は理事会や総会で承認を得ている内容と合致するかなどをチェックし、理事長に「確認しました」と一筆添えて報告することをお奨めします。もちろん、疑義が見受けられれば、管理会社に確認することも忘れてはなりません。このように、理事長と会計担当理事がダブルでチェックする体制は、非常に重要です。
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3.結論!会計担当理事の関与で理事長の負担が軽くなる
理事長とのダブルチェックがあれば、会計に関する事故が未然に防げるだけでなく、高額な支出に一人で対応しなければならない理事長の心理的負担を軽減することができるでしょう。これが会計担当理事の最大の任務といえるのではないでしょうか。
監事については、コラム「監事の役割」をご参照ください。
いかがでしたか?
会計担当理事は特にやることのない楽なポジションだと思われていたのではありませんか?理事長が最終的に銀行印を押して決済するとしても、その前段階で会計担当理事がチェック機能を果たし理事長のサポートを行うことが必要なのです。
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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)
国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com
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