マンション修繕なびコラム エレベーター更新工事の必要性とタイミング

2024.10.9

エレベーター更新工事の必要性とタイミング

マンションにおけるエレベーターは、居住者の日常生活を支える重要設備の一つです。管理者である管理組合には法律で定められた保守義務があり、日常の運転状況は遠隔でモニタリングされています。適切な保守管理により安心して使用できるエレベーターですが、機械設備としての耐用年数があり、いずれは更新が必要となります。

1.エレベーター更新のタイミング

マンションのエレベーターは一般的に使用開始後25~30年頃に更新時期を迎えます。更新のタイミングは、以下の要素を考慮して判断します。

1.故障が頻発するようになった場合
修理費用がかさむだけでなく、使用中に故障が発生するリスクが高まります。

2.製造元による部品の供給終了
使用開始から30年程度経過すると、製造元が交換部品の製造を終了し部品ストックもなくなり、部品供給停止となることがあります。そうなると、必要な修理が不可能になり、故障の際に長期間運転がストップする可能性が高まります。

3.安全基準や法規制の変更
安全基準は時代とともに変わります。例えば、地震対策や過負荷防止装置の設置義務が強化されることがあります。新しい基準にエレベーターが適合していない場合、居住者の安全が十分に確保できなくなるため、更新を検討する場合があります。

2.故障が発生する前に更新する

エレベーターの更新は、故障や安全性の問題が発生する前に計画的に進めることが重要です。一般的に更新工事には1~2週間程度の工期が必要となり、この間、エレベーターは使用不可となります。高齢者や障害のある方が居住され、エレベーター無しでは外出困難なケースでは、工事期間中に通院等が避けらない場合、ホテル住まいになることもあります。どのような問題が発生するか事前に調査し、十分に配慮して進める必要があります。

工事費用も高額となるため資金の積立が必要です。適切な時期に更新せず運転を続け事故が発生した場合、復旧のために想定外の出費が発生します。組合財政にとって思わぬ負担となりかねず、この点からもエレベーター更新は計画的に行うべきです。

3.更新時期を見据えて検討を開始する

以上のとおり、エレベーター更新は、予期せぬ故障による急な対応ではなく、前もって計画的に進めることが大切です。

また、築50年を経過したマンションでは2度目のエレベーター更新を迎えることになります。2度目の更新をするということは、その先も20~30年にわたりマンションを維持するということです。エレベーターの2度目の更新検討時には並行して、マンションを今後どう維持管理するかについても話し合う必要があるでしょう。

いかがでしたか?
マンションのエレベーター更新は実施時期がある程度定まっている工事の一つです。費用も高額ですが居住者の日常生活に支障をきたす工事でもあり、管理組合の大仕事となることでしょう。

マンション修繕なびでは、エレベーター更新工事について信頼できる専門家をご紹介し、適正な修繕の実施をサポートしています。初回のご相談は無料です。管理組合の課題解決に是非ご活用ください。

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マンション管理
コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)

国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com

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