マンション修繕なびコラム 大規模修繕工事での安全対策とリスク マンション住民の安心を守る方法

2025.8.14

大規模修繕工事での安全対策とリスク マンション住民の安心を守る方法

マンションの大規模修繕工事は、住民が安心・快適に暮らすために重要なイベントですが、高所での作業や資材の搬出入など、日常生活に影響を及ぼすさまざまなリスクが潜んでいます。
今回は、大規模修繕における安全対策について解説します。


マンション修繕にまつわるさまざまな資料を無料配布中!
疑問の解消や情報共有など、幅広くご活用ください。


1.安全対策に関するリスクの具体策と対策

・仮設足場の設置ミスなど、実際の作業に伴うリスク

足場の強度不足や固定不良は、作業員の転落事故など重大な事故につながるリスクがあります。どのような安全対策を施す予定なのかを確認し、説明を受けた通りの対策が講じられているかチェックすることが重要です。また、施工会社の現場監督や管理会社が現場を巡回し、定期的な安全パトロールが行われているか確認しましょう。

・工事案内や掲示内容の不備、誤表示

工事中は、掲示板による工事案内のほか、工事エリアの立ち入り禁止表示などが施されます。掲示内容が不明瞭など、住民や来訪者が誤って危険な区域に侵入してしまうリスクもあります。工事スケジュールなどの掲示は見やすい場所に設置されているか、タイムリーに情報が更新されているか確認しましょう。

・外部からの部外者の侵入

工事期間中は、複数の作業員がマンションの敷地に出入りすることになります。また、足場が設置されるため、普段は入ることのできないバルコニーから建物への侵入も可能となり、部外者が侵入するリスクが高くなります。
共通の作業ベストや腕章を着用するなど、一目で工事関係者だとわかるような工夫が必要です。また、工事時間外の部外者の侵入を防ぐため、仮設足場にセンサーや防犯カメラを設置する対策も考えられます。

・避難経路の確保不足

足場や資材などにより、通常の避難経路が塞がれることが考えられます。災害時の対応マニュアルの整備などが重要です。また、台風シーズンなどは特に、自然災害発生時の対応なども事前に想定しておくとよいでしょう。


マンション修繕・管理にお悩みなら

専門家による無料セミナーで解決のヒントを見つけましょう

いかがでしたか。
安全対策やリスク管理は、当然施工会社や管理会社も行います。しかし、それが適切に機能しているかどうかのチェックは管理組合で行うほかありません。また、トラブルや事故が発生すれば、その後の修繕スケジュールや費用にも影響を及ぼしかねません
住民、施工会社、管理会社とコミュニケーションを密にとり、情報共有と相互理解を深めることが安全対策の第一歩です。
安全管理においても、管理組合の主体的な関与が重要です。マンション修繕なびでは、専門家の紹介サービスを行っています。疑問や不安に思うことがあれば一度活用してみてはいかがでしょうか。
マンション修繕なびでは、専門家の紹介サービスの他に、組合内で問題を共有するための勉強会開催のお手伝いや相見積もりサービスも行っております。ぜひご活用ください。

黒木 淳
(マンション管理士)

大手マンション管理会社にてフロント担当者として勤務。
その後、独立系管理会社にてフロント業務のほか、管理組合支援業務として第三者管理業務、顧問業務を行う。
現在は、マンション管理の専門家として、管理組合が管理会社と対等な関係が築けるようサポートを行っている。

おすすめのコラム

マンション修繕なびコラム一覧へ戻る