
2026.1.5
大規模修繕の見積もり、相見積もりの取り方について解説
大規模修繕工事を成功させるためには、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。
ただし、相見積もりの準備や各社の見積もりの精査および工事業者選定など、専門知識を必要とするため一般の方には負担が大きい場面があります。
本記事では、相見積もりを取るべき理由や適切な取り方、見積もり前の準備などのポイントを解説し、賢く見積もりを取るための5つのコツや注意すべき点も紹介します。
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1.大規模修繕は相見積もりをとるべき?
大規模修繕工事を行う場合には、面倒でも複数の工事業者へ相見積もりを取ることをお勧めします。
なぜなら相見積もりを複数の工事業者からとることで、見積もりが妥当かどうかをより正しく判断できるからです。
一つの業者からのみ見積もりをとっても本当に見積もりが適切かは判断することが難しいでしょう。
また、見積もりが怪しい場合、そもそも自分の見積もりのとり方が良くない可能性もありますし、項目がしっかり設定されているかなどで見積もりに対しての信頼性を見る必要もあります。
そのような意味で、大規模修繕工事を行う場合は複数業者から相見積もりを取ることが重要といえます。

2.大規模修繕の見積もりの取り方
大規模修繕の見積もりを取得する際は、以下のような順序になります。
1.工事内容や仕様(工法や材料など)を決める
2.見積もりを取る業者を複数ピックアップする
3.見積もりを依頼する
4.業者から見積もり内容の説明を受ける
5.管理組合で見積もり内容を精査する
3.見積もりを取る前にやっておくべきこと
見積もりを取る前に、以下のことをやっておくとよいでしょう。
1.建物診断をする
2.見積もり項目の選定とアンケート調査を実施する
3.工事の費用相場を把握しておく
4.「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」を準備する

1.建物診断をする
大規模修繕は、決まった時期に決まった工事をするのではなく、必要な箇所に効率的な手当をすることが大切です。
そのため、建物診断によって現状を把握して、工事の必要性や緊急度、工事箇所、工事内容、仕様や材料などを確定する必要があります。
2.見積もり項目の選定とアンケート調査を実施する
建物診断結果と長期修繕計画ガイドライン(耐用年数に見合った設備更新目安)を踏まえた維持保全や安全対策が最優先ですが、資産価値を向上させる設備の導入も予算によっては考慮の余地があります。
例えば、以下のような居住者の利便性を向上させる設備の設置は、区分所有者の意向を汲み取るためにもアンケートの実施をすることがあります。
・ゲストルーム、パーティースペース
・スロープ、手すりなどのバリアフリー設備の設置
・次世代セキュリティシステム
・防災備蓄庫
・24時間利用ゴミステーション
・宅配ボックス
・高速・大容量の次世代通信Wifi、インターネット設備

3.工事の費用相場を把握しておく
工事費用は一律の費用相場で判断できるものではありません。マンションが建つ場所によって施工のしやすさは異なり、時期によって材料や人件費は変動するためです。
しかし、相見積もりで提示された金額が相場と比較して高いか安いかを、管理組合側で独自に判断できることは強みになります。
国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」などのデータを元に、費用の相場感を養っておくとよいでしょう。
4.「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」を準備する
以下の書類があれば、工事業者の見積もり作成時に役立ちます。これらの書類があれば、どの箇所にどんな工法で工事を行うのか、工事期間はどのくらいなのか、どの材料をどのくらい使うのかなどを工事業者に伝えられるからです。
・建物診断報告書
・修繕計画書
・修繕仕様書
ただし、これらの書類は専門性がかなり高いため、管理組合が自分たちで用意するのは難易度がかなり高いです。管理会社やコンサルタントへ作成を依頼することもお勧めします。

4.賢く見積もりを取るために抑えておくべき4つのポイント
賢く見積もりを取るなら、以下の4つに注目しましょう。
1.相見積もり時は工事内容を統一する
2.消費税込みの額で見積もってもらう
3.安さで業者を決めないようにする
4.見積書や工事金額に不安があれば専門家に相談する

1.相見積もり時は工事内容を統一する
大規模修繕にあたり、複数の工事業者へ見積もりを依頼して比較検討するのは必須事項です。
しかし、工事内容や工法、施工面積、材料、工事期間など、見積もりの基準が大きく異なるもの同士を比較することはできません。
基準を揃えるためにも、初めの見積もりで挙がった内容を、金額を伏せて他の業者へ共有するなどの工夫は必要になるでしょう。
2.消費税込みの額で見積もってもらう
2025年現在の消費税率は10%であり、工事金額の表記が税込か税抜かによって合計金額に大きな差が生じます。見積もりが税込金額かどうかを確認しましょう。
その際に、工事項目ごとに消費税が計上してあれば、工事項目を削った場合の税込合計金額がすぐに分かるため便利です。
3.安さで業者を決めないようにする
工事金額を安く抑えることは大切ですが、必要な工事を削ったり品質を落としたりすることで安価を実現しないようにしましょう。
安く抑えることは大事ですが、適切な工事項目やスケジューリングができているかどうかをしっかりと見ておく必要があります。
価格だけを基準に事業者を選ぶと、材料や仕様のグレードが下がり、結果として耐久性や性能が損なわれて総コストが高くなるケースがあります。予算を優先しすぎた結果、本来必要な工事範囲が削られる懸念もあり、その判断は管理組合の責任となります。価格面談のメリットと品質・範囲・保証・アフター対応を総合的に比較検討しましょう。
4.見積書や工事金額に不安があれば専門家に相談する
より見積もりを正確にとるには建物診断が必要となりますが、建物診断には専門知識が必要となります。またこれは居住者の安全や資産価値にも大きく関わる基礎データになります。そのため、管理組合ではなく大規模修繕のコンサルタントや工事会社、ゼネコンなどの専門家に依頼するのが妥当です。
見積書の内容や工事金額の妥当性を一般の方が判断するのは難しいため、また優良な工事業者の選定も専門家に任せたほうが賢明です。
限られた時間の中で見積もりを正確に試算するには、専門度の高い内容も多数あり、なかなか当事者だけでは難しいでしょう。専門家の意見やアドバイスがある方が、より正確な判断ができるでしょう。

5.見積もりを見る際に注意したいこと
まず、修繕工事の基準(工事箇所、工事面積、工法、期間、仕様、材料など)を揃え、複数社へ見積依頼をし、面倒でも見積書の細部まで精査することが大切です。
具体的に注意すべきことは、ケアレスミスなどがないかを細部まで確認することです。
まず見積書の金額の記載に関して、金額の桁数が間違っているというようなことも起こり得るため、しっかり確認するようにしましょう。また、ほかの見積書と比較すると、際立って高い・安い金額で提示されていることがあります。その場合も工事業者に一度確認しておくのがよいでしょう。さらに、見積もりの工事種別、工事項目が曖昧である場合、どこに対してどれくらいの金額が充てられるかが不明瞭になってしまうため、明確な記載を依頼しておきましょう。

6.賢い見積もりの取り方を知って大規模修繕を成功させよう
見積もりは面倒でも複数社へ依頼し、工事内容や金額、会社の実績などを比較しつつ、各社の担当者の提案力や相性などをよくみておきましょう。
見積もり前の劣化診断や修繕計画書および仕様書の準備、業者選定や都度の判断ではいずれも専門知識が必要です。
マンション管理士やコンサルタントなどの専門家から的確なアドバイスをもらいながら、正しい見積もりを取り、適切な大規模修繕工事を実現しましょう。

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いかがでしたか?
大規模修繕の大まかな費用をご理解いただけたでしょうか。
大きな金額が動く工事となりますので、少しでも節約したいところですよね。
見積もりの取り方次第で、安くなる可能性がございます。
マンション修繕なびでは、相見積もりの取得や信頼できる専門家とのマッチングサービスを行っています。
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