2024.7.29
大規模修繕工事のパートナー! コンサルタントの重要性 ~みつけよう!マンションのかかりつけ医~
マンション運営で最も労力の要るイベントは、大規模修繕工事でしょう。このイベントは十数年の周期で行われるため、所有者によっては何度も経験されるかもしれません。その中で一番頭を悩ませる問題の一つが、誰に任せようか・・・という悩みです。
結論から申し上げると、大規模修繕工事は組合が主導権を発揮して推進するべきものです。「誰かに任せて安心!」はあり得ません。
1.大規模修繕工事、成功の秘訣は?
では、管理組合としてどのように取り組むべきでしょうか。まずは、信頼できるコンサルタント(設計事務所など専門家)を採用することが重要です。コンサルタントの選任が大規模修繕工事の明暗を分けると言っても過言ではありません。
2.大規模修繕工事の進め方は主に二つ
マンション大規模修繕工事の発注には、「設計監理方式」と「責任施工方式」の2種類があります。それぞれどのようなものか、メリット・デメリットを見てみましょう。
まずは、どちらの方式を採用して大規模修繕工事を発注するかを決定し、設計監理方式を採用した場合はコンサルタントの選定業務に入ります。
大規模修繕工事の進め方についてはこちらをご参照ください
よくわかる!大規模修繕工事の進め方 >3.なぜ、設計監理方式が広く採用されているのか
国土交通省が実施した調査では、大規模修繕工事における「設計監理方式」の採用は約80%を占めると報告されています。
なぜ、「設計監理方式」が広く採用されているのでしょうか。それは、管理組合だけでは施工内容や金額および施工品質の妥当性を判断できないからです。「責任施工方式」では、この点を解決できません。一方、「設計監理方式」であれば、設計事務所などの専門家からサポートを受けられるため、この方式が広く採用されているのです。
このとき、コンサルタントを採用したのだからお任せすればいい!では大規模修繕工事は成功しません。組合自ら工事範囲の要不要を検討し、資金面からも現状に合わせた設計をコンサルタントに依頼するなど主体的に取組む必要があります。そうすることで区分所有者からの理解と賛同を得ることができ、大規模修繕工事は成功に向かうのです。
大規模修繕工事に関するコラム
進むのか?!国による大規模修繕工事の管理組合サポート >4.マンションの“かかりつけ医”をみつけよう!
ある設計事務所さんが、大規模修繕工事のコンサルタントとは、管理組合の「かかりつけ医」であると表現されていました。
良い「かかりつけ医」は、患者の身体(からだ)全体を診断し、丁寧に状態を説明、納得のいく治療方法を示してくれる大切な存在です。大規模修繕工事のコンサルタントもまた、組合の建物・資金などの現状を把握し、詳しく説明し、長期的な目線で組合の利益となる提案をする存在でなくてはなりません。
このような視点でコンサルタントを選定し、信頼して共に歩めるパートナーを見つけることが出来れば、大規模修繕工事以外でも建物に関する相談が出来ます。管理組合の長期的な運営を支えてくれる心強い相棒となることでしょう。
いかがでしたか?
大規模修繕工事の成否は管理組合の主体性とコンサルタント選びにかかっていると言えるのではないでしょうか。もちろん、コンサルタントは採用せず、組合独自で進めることもできるでしょう。次の大規模修繕工事をどう進めるべきか、管理組合で話し合いを始めることをお奨めします。
マンション修繕なび では事前審査をパスした複数の候補の中から、管理組合のニーズを満たすコンサルタントおよび施工業者選定をお手伝いしています。初回無料でご相談できますので、ぜひご活用ください。
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コンサルタント事務所
代表 大野 かな子
(マンション管理士)
国内メーカー勤務後、大手管理会社でマンション担当者として勤務。
これからのマンション管理には、“管理会社管理”や“自主管理”とは異なる第三の選択肢が必要と考え、マンション管理組合に対する管理ノウハウを提供し実務を支援する「ちいさな管理」を立ち上げる。
(株)ビル新聞社が発行する「ビル新聞」へマンション管理コラムを連載中。
マンション管理の専門家として、マンション管理に関する市場調査レポートを発表している。
ちいさな管理ホームページ:
https://s-kanri.com
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