
2025.6.19
屋上防水工事でよくある失敗4選|原因と対策を徹底解説!
屋上防水工事で陥りがちな失敗例や誤解について、事前に知っておきましょう。本記事では、よくある事例と防止策を紹介します。
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事例1.施工不良(厚み不足・処理不良)
防水材は規定の厚みを確保して初めて十分な防水性能を発揮します。
しかし一部の施工業者では手間を省くため塗膜を薄く塗ったり、シートの接合部処理が甘いまま終えてしまうことがあります。
その結果、数年でひび割れや剥がれが生じて雨漏りの原因となる例が意外に多いのです。
対策として、契約前に仕様書で膜厚や重ね幅など施工基準を確認し、工事中も管理組合として必要に応じて現場チェックや第三者監督を行うと安心です。
また完工後は施工写真や試験施工結果を提出してもらい、品質を担保しましょう。
事例2.既存防水の調査不足・仕様の誤認
現在の防水層の状態を詳しく調査せずに工事を始めると、思わぬ不具合を招くことがあります。
例えば下地に残留水分が多いのに密着工法で塗膜を施工すると膨れが再発しやすくなりますし、既存がシート防水なのに不適切な下地処理でウレタンを塗っても密着せず剥離する恐れがあります。
実際、既存防水を十分調査せず施工してしまい、後から不具合が判明して追加工事が長期化するケースもあります。防止策として、工事前に専門調査(含水率測定や試験はく離等)を実施し、最適な改修方法を検討することが大切です。
既存層の種類や劣化範囲に応じて全面撤去かカバー工法か判断し、必要に応じ仕様を修正してもらいましょう。

事例3.過剰スペック工事の落とし穴
「どうせ工事するなら最高グレードの材料で耐久性を最大化したい」と考えるかもしれません。
しかし耐用年数30年超とうたうような高性能仕様は往々にして高額で、実際には長期修繕計画上15年程度で再改修するなら宝の持ち腐れになる可能性があります。
過剰なスペックの工事は予算圧迫や他の必要工事の遅延を招きかねません。重要なのは計画期間内で十分な性能を満たす最適な仕様にとどめることです。
例えば人の立ち入りが少ない屋上であれば、歩行用の重防食仕様は不要でしょうし、断熱材一体型防水なども必要性を慎重に検討しましょう。
信頼できるコンサルタントや技術者の助言を仰ぎ、適切な仕様選定を心掛けてください。
事例4.保証や契約に関する誤解
防水工事後の保証内容についてのトラブルも散見されます。部分補修のみ行った場合、「改修していない箇所から漏水したらどうするのか」といった問題が生じがちです。
一般に、防水改修は施工範囲全体を一貫して行わないと長期保証は付きにくいものです。
工事契約時には保証書の条件を確認し、保証範囲が限定的になる部分補修の場合はリスクも認識しておきましょう。
また保証期間(何年間雨漏りしない保証か)や、施工業者と防水材メーカーの連名保証があるかなども確認ポイントです。
万一保証対象外の不具合が起きた場合の対応(無償補修の有無など)についても契約前に取り決めておくと安心です。


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いかがでしたか?
記事に記載した内容に注意しつつ進めれば、大きな失敗を防ぎやすくなります。
防水工事は建物を守る重要工事ですから、不明点は契約前に遠慮なく質問し、施工内容や仕様を十分理解した上で進めてください。
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