
2025.6.20
大規模修繕工事の内容 バルコニー防水編~工事の必要性と各種工法~
大規模修繕の工事内容について、今回はバルコニー防水について解説します。
マンションのバルコニーは、雨風や紫外線にさらされるため、時間とともに劣化が進みます。防水機能が低下すると、雨漏りや建物の構造への影響が懸念されるため、適切な防水工事が必要です。
1.バルコニー防水工事の必要性
バルコニーの防水が劣化すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 雨漏りの発生:防水層の劣化により、階下の住戸へ水が浸入する
- コンクリートの劣化:水分が浸透し、ひび割れや剥離が進行
- カビや湿気の問題:室内環境の悪化につながる
- 資産価値の低下:マンション全体の評価に影響を与える
これらの問題を未然に防ぐため、定期的な点検と適切な防水工事が重要です。

2.バルコニー防水工事の主な工法
バルコニーの防水工事には、いくつかの工法があります。
それぞれの特徴を理解し、適切な方法を選ぶことが大切です。
①ウレタン防水
特徴:液状のウレタンを塗布し、防水層を形成
メリット:複雑な形状にも対応可能、比較的低コスト
デメリット:施工後の乾燥時間が必要
耐用年数:10~15年
②シート防水
特徴:防水シートを貼り付ける工法
メリット:耐久性が高く、施工が比較的簡単
デメリット:下地の状態によっては施工が難しい場合がある
耐用年数:10~15年
③FRP防水
特徴:ガラス繊維を含む樹脂を塗布し、強固な防水層を形成
メリット:耐久性が高く、軽量で強度がある
デメリット:施工費用が比較的高め
耐用年数:10~15年
④アスファルト防水
特徴:アスファルトを使用した防水層を形成
メリット:耐久性が高く、長期間の防水効果が期待できる
デメリット:施工時の臭いが強く、工期が長くなる場合がある
耐用年数:15~20年
防水工事の工法は複数あり、工事費が安価でも防水効果が短いものや、高額であっても防水効果やメンテナンス性に優れたものなど様々です。現在の仕様との相性や防水効果の寿命、美観や清掃のしやすさなども考慮し、工法を決定する必要があります。
また、防水工事には5年~10年程度の保証がつくことが一般的です。
独自の工法や材料を使用している業者など、10年以上の長期保証を付けているケースもあります。

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いかがでしたか。
バルコニー防水工事と一言で言っても、様々な工法や材料の種類があります。当然、工法によって費用も変わってきます。
マンションに適した工法を選び、適切な修繕を実施することで建物としての資産価値を維持することにつながります。
ただし、検討するためには相応の専門的な知識が必要となるため、複数の業者から提案を受けたり、設計事務所などの専門家に相談したりするとよいでしょう。
マンション修繕なびでは、相見積取得サービスや専門家の紹介サービスを行っています。疑問や不安に思うことがあれば一度活用してみてはいかがでしょうか。

黒木 淳
(マンション管理士)
大手マンション管理会社にてフロント担当者として勤務。
その後、独立系管理会社にてフロント業務のほか、管理組合支援業務として第三者管理業務、顧問業務を行う。
現在は、マンション管理の専門家として、管理組合が管理会社と対等な関係が築けるようサポートを行っている。
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